2021年・年の暮れ 残日録2101226

昨年から、逆流性食道炎や肺血栓、それに加えて貧血症を併発していたのだが、ようやく回復ということになった。体調も少しずつ良くなっている。
年をまたいて、2月の研究集会での発表と4月末までの原稿化に取り組んだ「児童サービスにおける『子ども観』」が、この12月に「図書館評論No.62」に収録された。
3月に加古川市立図書館での「江戸時代を楽しむ」という講演をした。これは、コロナ禍以前に木之本まちづくりセンターでやった日本歴史入門講座①~④の続編で、内容を90分に濃縮したもの。受講生に小学校の同級生が来ていて、同窓会での軽薄な印象との違いに驚かれたそうだ。まあ、ちょっと値の張るスーツ姿だから驚いたことだろう。
5月以降は読書に明け暮れていた日々だった。読了するつもりだったブルデュー『ディスタシオン』は夏頃に手放してしまい、しばらく読む気になるのを待つことにした。
宮崎県立図書館からの県内の図書館員への研修依頼があり、秋ごろから12月の遠隔の講演に向けてパワーポイント作成。テーマは選書だった。宮崎県立看護大学の初代学長の薄井坦子の本が宮崎市立に2冊蔵書としてあるけれど(他の図書館にも1冊所蔵)、県立図書館に未所蔵なのには驚いた。感想は好評だったが、どれだけ実践につなげていただけるか、だろう。コロナ禍以前に高知県で選書のワークショップもしていたが、現場を離れて10年近くになる。代わりの人材が出てくればいいのだが、と思う。
年賀状を投函し終え、ようやくのんびりした気分になっている。
大学の非常勤講師はあと一年。2023年3月末をもって図書館関連の団体から少しずつ脱会しようと思っている。残るのは仮説実験授業研究会と縮小社会研究会あたりだろう。
図書館関連で残しているのは「ヤングアダルト・サービス」についての論考で、来年の課題となるだろう。本来は来年の研究集会で発表し、来年内に論文化するのがベストだが、青少年に対する昨今の研究を追えていないので一年延ばすこととした。
アベノミクスの成長戦略については、以前「「成長戦略」と徳川吉宗「新規御法度」」としてブログに書いたが、TV番組の「博士ちゃん」を見ているとこれからの日本にも期待が持てる気がしている。いまのところ既存の知識を独自に集積している段階だが、成長するにつれて発明・発見につながるだろう。好奇心が基礎学力を自ら鍛えているところがいい。
電気工事士第一種(小5で)・第二種(小3で)を取得した「博士ちゃん」は父から「幼稚園児に電気設備の専門書を見せてもわからないので、『読み聞かせ』をしてもらっていたという。小学校に上がる頃には、「自分で読めるようになりたい」と、専門書の難しい漢字を書き取り、意味を調べるようになったという。
この番組で、同じようなことに関心を持つ子どもたちのネットワークが生まれたりしている。それもいいなあと思う。

2021年12月26日